ポール・モーリア・メモリアル・コンサート
2006年11月に南フランスでポール・モーリアが亡くなって3年、モーリアが率いたオーケストラのメンバーによる待望のメモリアル・コンサートが実現。モーリア没後初の来日公演が、いよいよ11月3日より全国16カ所で開催される。
70年代から80年代初頭にかけてのポール・モーリアの作品群は、ボクにとって今なおMost Favoriteなもの。そして、モーリアを聴かなければ、たぶん一生聴くことがなかった曲を世界中から届けてくれた、ワールドミュージックへの誘いとなったもの。また、ボクにとってモーリアは、大音量で聴きたい音楽。ボクは、サブウーハーを付けたマイカーの車内で、CD化されたモーリアの70年代の音源を爆音で聴くのが大好きである。
特に70年代後半は、現地のミュージシャンを起用してのブラジル録音あり、ニューヨーク録音あり、はたまた、全曲オリジナルのアルバムあり、と、様々な色彩を見せてくれた。一般的には、コアなファンには、この時期の作品群は評価がさほど高くないらしいが、ボクはその頃が聴き始めで、リアルタイムで新作が出るのを追っかけていたせいか、当時の音が最も好きなのだ。
ということで、きょうは、たぶん来日コンサートで絶対に演奏されない、万人向けではない、ちょっとひとクセあるモーリアの作品群をご紹介。
シルバー・フィンガーチップス(Silver Fingertips)
生のチェンバロを激しく弾き倒す、チェンバロという楽器のイメージを根底から覆すようなカッコいい曲。なのに、なぜか凄くノスタルジーを感じる。また、曲の中盤でライドシンバルがなぜか6/8のキューバ音楽みたい。1969年の作品。CD化されています。
クリオジッシマ(Criollisima)
美しい旋律を持つベネズエラの5/8拍子の曲。YouTubeでは、この曲のいろいろなバージョン(コレとか、コレとか、コレとか、コレ)が見つかるが、モーリアのアレンジでは、サビでストリングスによる独特の和声の展開が重厚かつスピード感のあるハーモニーを醸し出している。これまた、今だになぜかわからないが、ノスタルジーを感じさせる曲。ボクが、モーリアの曲で一番好きな曲を挙げるとしたらコレ。この曲が収録されたアルバムには、メルセデス・ソ-サの「アルフォンシーナと海」、「人生よありがとう」(Gracias a la Vida)、イヴァン・リンスの「The Island」も入っている。1980年の作品。たぶんCD化されていない。CD出て欲しい。
次は、ファンとしてはこんなものを聴けるなんて、最高のシアワセ。とある曲の、レコーディング後の、恐らくミキシングコンソールを前にしての、ミックスダウンの作業を録音したと思しき音源。
この曲は、かつてTVのCMでも使われていたポール・ウイリアムスの愛は夢の中に(I won't last a day without you)。カーペンターズのも有名。モーリアのそれも何度も聴いたことがあるが、ベースだけ、リズム隊だけで聴くと、何の曲だかわからないが、徐々に音が重なっていくと、全貌が見えてくる。
驚くべきは、これが1974年に日本で発売されたEPレコードに収録されていたものらしい、ということ。知らなかったなぁ。まあ、当時小学4年生だったから致し方ない。
ということで、こちらが完成版の「愛は夢の中に」。
イントロはピアノとベースだけで始まるのだが、最初にMixing Sessionの方を聴いてから完成版を聴くと、ピアノをオクターブ違いで2度重ねて録音し、左右に振ったことがわかる。こういった感じで、細かーいワザを探りながら曲を聴くというのが、正しいモーリアの楽しみ方。
次はブラジルもの。
栗色の小鳥(Sabia Marron)
ブラジル録音されたモーリアのオリジナル。ブラジルのサンバ歌手アルシオーネのために書かれた曲で、アルシオーネ本人もモーリアの演奏で録音している。このビデオクリップも、2曲がカップリングされています。ストリングス、ブラスはいつも通りだが、リズム隊が完全にブラジル。ボクはこの曲が最初に日本で発売されたLPではなく、数年遅れて、30cm45回転のオーディオチェックレコード(コレが凄く音がイイ)として発売されたものを、感受性の強かった高校生時代に買って初めて聴いたのだが、1日中この曲がぐるぐる頭の中で回り続けて困ったものです。
次はパリで録音されたオリジナルもの。
オレンジ色のメロディー(Ballade Orange)
アルバム収録の11曲全曲が、モーリアと当時モーリアの片腕だったジェラール・ガンビュスによって書かれた、オリジナル作品集のアルバム「CHROMATIC」、異色中の異色。1曲1曲編成を変え、フェンダーローズとヴィブラホンだけの曲があったり、レゲエ、チャチャチャ、変拍子あり、と、通常のアルバムではあり得ない構成。全体に、ポップオーケストラのそれではなく、コンボ編成的なインスト(曲中で、主旋律を取る楽器があまり入れ替わらない)志向の曲作りになっている。この曲にしても、ピアノがメインで最初から最後まで、という曲はモーリアでは他に滅多にないのでは。1980年の作品。CD化されている。これもボクの愛聴盤。
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