この楽器、なーんだ?
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オーストリアのザルツブルグで、「グローバルクライナー」 (リンク)なるバンドのライヴを生で観た。1年くらい前から、そういうバンドがいるということを名前だけで知っていたのだが、凄いよー。ドイツ人、オーストリア人のオーデェンスに大ウケなんだけど、日本人のボクにも本当に楽しめた。
グローバルクライナーという名前は、「オーバークライナー」という、ドイツやオーストリアでポピュラーなフォークミュージックのジャンルの名称をもじったもの。オーバークライナーワルツ、オーバークライナーポルカ、といった感じで、ワルツやポルカをオーバークライナースタイルで演奏したものと言えばよいかと思う。オーバークライナースタイルとは、通常トランペット、クラリネット、アコーディオン、ギター、バリトンの5名で演奏する形式で、見ておわかりのようにドラムレス。かつ全員演奏しながら歩き回れる楽器ばかり。ドイツの、仮設大テントのビアホールとかで、白シャツにニッカーボッカーと白ストッキングとサスペンダーみたいな典型的なコスチュームで演奏している、みたいな雰囲気を想像してもらいたい。ちなみに、上記のバリトンとは歌手のバリトンやバリトンサックスではなく、バリトンホーンというべき、チューバやユーフォニウムのような管楽器で、ベースパートを担当する。で、こういう編成のバンドから出てくる音は、一般的な日本人からすれば、ベタでダサダサなドイツのローカルフォークミュージックという印象で、わざわざ好んで聴くようなものではないのだが、グローバルクライナーは、オーバークライナーの演奏スタイルと、インターナショナルなヒットソングを見事にマリッジさせてしまったわけ。レパートリーはというと、Sex Bomb、Something Stupid、Hot Stuff、Lady Marmalade、Honesty、I will survive... しかも、個々のミュージシャンの力量が高い。彼らが出演したとあるジャズフェスティバルでは、その音楽を「アルペンジャズ」と紹介されたらしい。
オーバークライナースタイルを、現代風の音楽にマッチさせるために、その編成に若干手が加えてあって、ギターはエレクトリックとなってワウギターのカッティングもあればディストーションギターでソロも取る。バリトンの代わりにバストロンボーンとなって、ベースパート、トロンボーンソロ、トランペット/クラリネットとのアンサンブルなど実に変幻自在、かつこのトロンボーンプレーヤーは唄う。ヨーデルさえやって見せる。そしてここに女性シンガーが加わるのだ。
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イージーリスニングの巨星、ポール・モーリアが11月3日、南仏で急性白血病で亡くなった。享年81歳。日本では、新聞、TVのニュースでも取り上げられたようだ。
http://cgi2.nhk.or.jp/news/cgibin/20061104000179002_mh.cgi
ボク、そしてボクと同年代で、青春時代にモーリアによって音楽に目覚めた人々は、今、大いなる悲しみに打ちひしがれている。モーリアのファンクラブサイトには、60以上の追悼メッセージが届けられた。ボクにとってモーリアは、間違いなく、中学ー高校時代の最大のアイドルであった。現在、2-30代の人には想像がつかないかもしれないが、約30年前、日本のメディアにはポール・モーリアの音楽が氾濫していた。ラジオ・TVのコマーシャルやジングルで盛んに使われていたし、モーリア本人を広告のイメージキャラクターに使用した企業もあった(UCCとか、メルシャンワインとか)。当時中一だったボクが初めて彼の音楽に接したのは、大阪のAMラジオの電リクランキング番組であった。
ポール・モーリアは自身で作曲もするが、むしろ、世界中の曲を彼のスタイルにリ・アレンジして演奏した曲の方が多いし、ある意味それが彼の真骨頂である。日本で有名な彼のヒット曲の多くは彼の作曲ではないが、彼が取り上げなかったら我々日本人が一生知ることがなかったであろう世界中の曲を紹介してくれた。ボクがサルサを聴きだしたのは社会人になってからだが、いくつかのサルサの曲をボクはずっと以前にポール・モーリアのレパートリーとして聴いていたのだ。ボクは以下の曲が好きだが、それは学生時代にそれらの曲をモーリアのレパートリーとして聴いたからである。
* Usted Abuso (セリア・クルース、ウィリー・コロン、パキート・エチャバリア)
* Oh, Que Sera (ウィリー・コロン)
* Donde Estara (レイ・セプルベダ)
* Ne Me Quitte Pas (ユリ・ブエナベントゥーラ)
「オリーブの首飾り」という、なぜか日本ではマジックのBGMとして知られるようになったモーリアの代表曲があるが、この曲など、ボクは過去30年に渡り、いったい何度プレイバックしたか数え切れない。いまだに飽きないし、感動する。しかも、いまだに、この曲の主旋律をどういう楽器の構成で演奏・録音したのか、ボクには解明できないため、未だに多大な興味を持っている。しかし、彼がこの、原題を「赤ちゃん」( El Bimbo)という、クロード・モルガンという人物の作った曲を取り上げなかったら、また、彼と当時の彼の片腕だったジェラール・カンビュスが斬新なアレンジを施さなかったら、この曲はけっして日本でこれほど知られることは決してなかった筈である。
彼の多くの曲は、聴きやすいメロディーの曲を世界中からピックアップし、それにメロディーラインに負けないくらいの印象的なオブリガードを付け、メロディーラインを非常に凝った楽器の構成で、ユニゾンで録音する。たとえば、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」という曲では、主旋律を4回繰り返し、1回目はアコーディオン、2回目はチェンバロ、3-4回目は弦で演奏されている。永年、ボクは2回目のそれで演奏されるチェンバロの音がすごく太い、と感じていたのだが、今年、ふとそのパートを左右片チャンずつ聴いてみると、右チャンネルはチェンバロだが、左チャンネルは実は、チェンバロに似せたプリペアードピアノの音を隠し味的にオクターブユニゾンしていたために、あたかもチェンバロの音が太く聞こえていたことに気づいたのだった。チェンバロだけではなかったのである。
続く
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